「――い……さ先輩……」
……なんだ。
「司先輩!!」
ハッと夢から覚めた。
「えっ……鈴加?」
「もぉ、また授業サボったんですか?」
笑いながら、俺に話しかけてくる。
「あぁ―……、ダルかったし」
やっぱりこの笑顔は落ち着く。
「ダルかったからって、大丈夫なんですか?先輩、進学希望でしょ?」
「まぁな」
でも何か目標があるわけじゃない。
「担任が大学くらい行っとけって言ってたし……」
「大学くらいって……。今、頑張って勉強してる人に失礼ですよ!」
人差し指で俺を指差した。
「俺、頑張らなくても合格するから」
「うわっ!確実に今、大学を目指している人、敵に回しましたね」
「ははっ」
マジで勉強はしなくても、出来んだよなぁ―。
「つ―か、隣、座れば?」
「あっ、はい」
さっきから俺の横に立っていたのが気になった。
そんな鈴加を隣に座らせた。


