ふっと笑った先輩があたしを見つめた。
「い、いえ!な、何でもないですっ!!」
うわぁ―っ。恥ずかしい//
あたしそんなにガン見してたなんて……
「な―んだ。てっきりキスしたいのかと思った」
「ふへっ!?」
先輩の言葉にあたしだけじゃなくて、周りまで赤く頬を染めた。
「なんならここでしとこっか?」
「ふえぇぇ!?」
し、しとくって……キ、キスを!?
「な―んてな。さすがにそれは冗談♪」
「っうっ////」
「キスは2人っきりの時……な?じゃあ英語辞典、借りていく」
とだけ言って、先輩はチラッとクラスを見て帰っていった。
教室中にどよめきを残して……
はぁ―…、本当に心臓に悪いよ―……
頬の熱を冷ましながら、席に戻ろうと足を進めた。
「鈴加ちゃん!!」
なのに、そんなあたしの前に立ちはだかるたくさんのクラスメイトの女の子。
か、囲まれている……
「司先輩と付き合ってるって本当なのっ!!」
「……えっ?」


