「英語辞典持ってる?」
「……へ?」
「今日、一時間目から英語でさ。家に忘れちゃったんだよね……」
「も、持ってます!い、今取ってきますね」
熱くなっている頬を押さえながら、ロッカーに英語辞典を取りに向かった。
もぉ―っ!司先輩反則だよ///
絶対あたしが赤くなるって分かってて言ったんだ!!
急いで英語辞典を取りに行き、司先輩に手渡した。
「はい、どうぞ」
「ありがと。返すの昼休みでいい?」
「あっ、はい」
なんて話をしていると、周りからヒソヒソと聞こえてくる会話。
「やっぱり付き合ってるって噂、本当だったんだよっ」
「えぇ―!ショック―!あたし司先輩のこと狙ってたのに―っ」
っ……
やっぱり司先輩って人気があるんだな。
優等生って感じのメガネも似合ってるし、あまりセットされてないのに、髪型もふんわりとした黒髪で凄くカッコいい……
「ん?どうした?そんなに顔ばっかり見て」


