「眼鏡をかけたままのキスも慣れてきたよな……」


「っっ///」



最初は眼鏡が勝手悪かったけど、慣れって恐ろしいな。



それから何も言わないままギュッと抱きしめられていた。



先輩が何を不安に思っているのか……



何を抱えているのか……



今のあたしにはわからなかった。




―――――――……



「はぁ―……」



机に肘を付けて、深くため息を吐くあたし。



先輩は何をそんなに悩んでいるんだろう?



もしかして!……あたしに不満とかあるの!?



「はぁ―……」



だったら最悪だ……



――バシッ!



「痛っ!!」



突然頭に感じた衝撃。



「朝から何、そんなにため息ついてんだよ」



叩かれた頭を押さえながら見上げると、バックを肩にかけた智也が立っていた。



「もぉ―っ!痛いじゃん!別にあんたには関係ないし!!」


「はあ?こっちが気使いで聞いてやってるっつ―のに」


「別に頼んでないし……」


「は?」


「いいえ、何も」



プイッと顔を背けた。