「先輩としては別に嫌いじゃねぇけど……、鈴加の彼氏なら話しは別だ」


もう敬語を使う気もないんだな。



「……なに?もしかしてお前、鈴加のこと好きなの?」



負けるのは嫌で、余裕のあるフリをした。




「そうです……ね」



――ドクッ



「ずっとずっと好きでした。……出会った時から、ずっと鈴加だけを見てきました」



敬語に戻り淡々と話す智也に、ほんの少し恐怖を感じた。




でも……こんなことで、負けるわけにはいかない。



「だから?」



「っ……」



自分でも冷たい言い方だと思った。



「だから、鈴加を泣かしたら許さねぇってこと」



「じゃあそれだけですから」とだけ言って、屋上を出ていった。




つまり……宣誓布告ってことか……




無駄に冷静な俺。



普通なら焦るところなんだろうけど……