「まぁ―、明日まで我慢する」


『……はい。じゃあ、あの、また明日……』


「あぁ、またな」



とだけ言うと、電話が切れた。



電話口から聞こえる、機械音を聞いていると、本当に少しだけ寂しくなった……



―――――――………


「司く―ん♪」



相変わらず朝からテンションが高い、夏樹が教室に入ってきた。



「よっ、おはよ」


「……」


「……んだよ」



挨拶したと言うのに、口をあんぐり開けて、俺を見ている夏樹。



「えっ……本当に司?」


「は?」




こいつケンカ売ってんのか?



「だって挨拶返してくるなんて……。珍しいからさ」



くすんくすん泣く真似をする。


「何か良いことでもあった?」



――ドキッ



「い、いや。別に……」