「……どうした?」



『あの……特にはないんですけど……。その……』




受話器口で焦っている鈴加が想像出来て、さらに笑いそうになった。



「なに?寂しくなった……とか?」


『ち、違います!大丈夫ですっ!!』


「ははっ。そっか。」



『…はい』



『「………」』



お互い無言の時間が過ぎる。



だからと言って、この無言に焦るわけではなく……



逆にこの雰囲気に、落ち着きを感じていた。




『……司先輩は……』


「ん?」


『司先輩は今、一人なんですか?』



「あぁ、一人だよ。夜は大半一人」


『そうですか。……寂しくないですか?』



寂しくないですか……って。



「ははっ。寂しいのは鈴加じゃないの?」



『っ!先輩はあたしをからかいすぎです!!』



ははっ。やっぱり鈴加と話すのは心地いいな……




「嘘だよ…」


『えっ?』


「寂しい。さっき別れたばっかだけど、鈴加と離れてるのは……」


『っ///……反則///』



きっと真っ赤になっているだろう鈴加を想像すると、口元がまた弛んだ。