「……孝太のことはいいわけ?」



「っ……そ、それは……」




忘れたわけじゃない。



忘れられるわけがない。



でも、それは好きって感情があるからじゃなくて、“あの言葉”があるから……




だからあたしは忘れられてない……



「はぁ―……、もういいよ。鈴加がそれでいいなら」



「えっ……?」



い、いいの……?



「好きなんだろ?司先輩のこと」



「……好き。大好き…///」



「……っ。そっか」



一瞬、智也が哀しそうな顔を向けた……気がした。




「泣きついてきても知らねぇからな」



「な!何よっ!泣きついたりなんかしませんよ―だっ!!」



「はいはい。こんな有頂天な奴を見てると、虫酸が走るから、もう帰るわ」




はあ?



ソファーから立ちあがり、そのまま本当に帰ってしまった智也。




っ!本当に失礼な奴!!