また会社だろうか……? 2人とも忙しい人なんだよね…… 仕方ない。 忙しいんだから……仕方ない。 ――ピンポ―ン 軽快なチャイムの音が、シーンとした家に響いた。 ……お客様? 「は―い」 誰かもチェックしないまま、ドアノブに手をかけた。 「帰ってたのかよ」 少し不機嫌な顔で立っていた智也。 「あっ、なんだ。智也か」 「なんだとはなんだよ!!」 さらに不機嫌にさせてしまった。 「どうしたの?いつもなら、勝手に上がってくるのに?」 図々しいくらいに。