｢どうした？ボケッとして？｣
｢……え？あっ！何でもないです！！｣
ヤバッ……
イヤなこと思い出しちゃったから。
つい……
｢何か悩み事があるなら、いつでも相談しろよ？｣
そう言って微笑む先輩に、証拠にもなくまたときめいた。
｢……先輩は、ヤキモチとか嫌ですか？｣
｢……は？｣
バクバクと高鳴る胸を押さえる。
｢あぁ―……、あんまり束縛とかは無理かな｣
――ズキッ
｢そ、そうですよね……｣
当たり前だよね……
そう思うのは。
｢って、そう思ってたけど……｣
……えっ。
思ってた“けど”……？
｢まぁ―悪くないな。好きな女から、ヤキモチ妬かれるのは｣
ニコッと笑った司先輩。
｢っ///｣
嬉しい。
嬉しい……はずなのに……
胸の中で、引っ掛かる。
だって、このセリフは……
｢鈴加？｣
｢あっ、いぃえ。嬉しいです。ありがとうございます｣
このセリフは……孝太も言っていたから。
