「あのさぁ…」 そうポツリ呟くと、顔を上げて「あのさぁ、梨華ちゃん…俺…」 そう言いかけた時だった…。 「───りか…?」 後ろから、男の子の声で不意に名前を呼ばれた。 「えっ…?」 名前を呼ばれた方を振り返った。 そこには、柔らかなオレンジ色に染められた空の下 「ヤッパリ…梨華だ」 えっ…だれ…? 「久しぶり、梨華」 そう言って微笑む背の高い同じ年ぐらいの男の子。 見覚えある、真っ直ぐな瞳…。 もしかして… もしかして…