「じゃぁ、いってきます」 高津くんとのデートの日がやってきた。 「いってらしゃい。楽しんでくるのよう」 キッチンから明るいお母さんの声が聞こえてきた。 明るくていいなぁ・・・。 その元気を分けて欲しいと思った。 今日の天気は晴れ。 空は、雲1つない青空。 なのに、あたしの心は大輔くんから抱き締められた日から ずっと分厚い雲で覆われて曇ったままだった。