振り向いても知らない人。 サラリと靡く黒と茶色が混ざった髪。 玲央や悠生より暗い。 きちんとした私服で、とても清潔に見えた。 「もう一度聞くね …何してるの?」 優しい口調にどこか冷たさを感じる。 「ちょっと話してただけですが…」 「彼女、嫌がってるように見えたけど?」 「ちょっと喧嘩して…」 な?と同意を求められる。 うちはブンブンと首を左右に振った。 「ほら、違うって」 「…くそ…」 そう呟くと男は踵を返した。 「大丈夫だった?」 うちの肩に心配そうに手を置くこの人。 …誰?