でも、慎吾が来てくれて安心したのか何なのか、沈黙を破ったのは俺だった。 「…俺だよ。」 「ん?」 「…俺のせいだよ。」 「何が?」 「全部…。全部、俺のせいだ。」 そう思うことしか出来なかった。 菜緒が事故に遭ったのは、俺のせいで。 菜緒がこんなことになったのは、俺のせい。 俺があの日、遅刻したから。 俺があの時、俺の方から菜緒のところに行ってれば。 俺が、走ってくる車に気付いてれば。 俺が菜緒を止めていれば、こんなことにはならなかった。