「……慎吾?」 「うん。開けるぞ?」 返事をする前にドアが開いて、慎吾が入ってきた。 「…どしたの?」 「鞄。お前学校に置きっぱだったから。」 「あぁ…。悪い。ありがと。」 そっか。 鞄持ってなかったんだ。 全然気付かなかった。 慎吾は俺に鞄を渡して、そのままイスに座った。 「聞いた。」 「…え?」 「内田のこと、聞いた。お前があんな風に学校飛び出してくなんて、絶対何かあったし、電話しても出ないからさ。もしかしたらって思って病院行ったんだ。そこで聞いた。」 「…そっか。」