………

……




校舎に入り、いつもと同じように靴を履き替える。

犬飼くんの表情はいつもみたいに柔らかだけど、言葉は何も発しない。


ただ私の手を握り締め、犬太郎が居るだろう場所へと進んでいく。




「ここだよ」

「……え?」


私たちがたどり着いた場所、それは……私たちしか知らない秘密の部屋、


【 暗室 】だった。




どうしてここに?
やっぱり犬太郎は、私の身近な人……?


ドキン ドキン ドキン....


緊張が最高潮に達する。

やだ……怖い、逃げたい……。


だけど犬飼くんは私の手を強く握ったまま、離さない。


そしてゆっくりと、そのドアが開く……――。