【 サブアドってのは気軽でいいけど、でも気を付けて使えよー?
気軽だから色々な相手と色々なことが話せる。それこそ、実際に話してるかのようにな。
だけど顔も名前も知らないし、同い年って言ってた奴が実は怖いオッサンかもしれない。
インターネットを利用した犯罪ってのは、そういうところから広まるんだよ。 】
背中の辺りが、ゾクリとする。
インターネットを利用した犯罪って、確かに多い。
サブアドレスって気軽でいいけど、犯罪に巻き込まれる可能性もあるんだ……。
【 本当のアドレスを見知らぬ人に教えて、自分から危険を招く必要なんてない。
だから、ネットで知り合った人と実際に会ったりするのもやめとけよ。 】
【 うん、そうします!! 】
同じ高校生なのに、犬山さんは凄く色々なことを知ってる。
と言うか、私が知らなすぎなのかな?
インターネットを使った犯罪なんて、いつも他人事のように思ってたけれど、こんなに身近にある。
それを今日、知ることが出来た。
【 で、俺とのメールはどうする? やめとく?
実は俺、変なオッサンかもしれないよ?(笑) 】
あっ……そうだ、犬山さんとサブアドレスでやり取りをするために、色々な話をしてたんだった。
んー……どうしよう?
本当のアドレスでのやり取りじゃないし、私が教えない限り、危険なことに巻き込まれる心配はない。んだよね……?
せっかく知り合えたんだし、色々話すのも楽しかった。
そんな人と、このままバイバイはしたくなかったから、私は犬山さんとサブアドレスでやり取りすることを決めた。
【 サブアドレスでのメール、よろしくお願いします!!
変なオッサンだとわかったら、即サヨナラしますが(笑) 】
【 わかった(笑) んじゃ、サブアドの取り方教えるね。 】
そのあと、犬山さんに教わりながらサブアドレスを取得して、私たちはその日「メールでやり取りをする仲」となった。



