どこに行ったんだろう?
青山と同じように、村雨くんも何か用事があったのかな?
「……どうしよう」
時間はどんどん進んでいって、今は4時48分。
“ユウがどうするか、それを待つことにする。 ”
……犬太郎は、私を待ってるんだよね。
“俺は、ユウを嫌いになんてならない。”
その言葉を思いながら、ゆっくりを暗室を出る。
犬太郎は私を待っていてくれてる。
優柔不断で最低最悪な私を知ったあとも、私を好きでいてくれる。
……その人に、ちゃんと応えなきゃダメだよね。
会ってどうなるかはわからないけれど、それでも、会わずに逃げるなんてダメ。
私は、犬太郎に会わなくちゃいけないんだ。
「……よしっ!!」
意を決して、屋上へと続く階段を上る。
上へ行くたびに、ドキドキも増していく。
犬太郎って、いったいどんな人なんだろう?
「ユウ」と全然違う私を見て、やっぱりガッカリしちゃうかな?
それとも、私を……「結城 奈央」を受け入れてくれるかな?
期待と不安が大きくなる中で、屋上前へと到着する。
だけどそこに居たのは、一人じゃなかった……。



