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翌日。
晴れ渡った空に、清々しい風。
まさに、学園祭日和。
「結城、行くぞ」
私を呼ぶ青山は少し照れたように笑い、手を差し出す。
温かくて、優しい笑顔……。
その手をそっと握り、私と青山の二人の時間が始まる。
「あれ!? 犬飼くんどこ行ったの!?」
「去年も居なかったのに、今年も居ないの!?」
……そんな女の子たちの声を後ろに聞きながら、私たち二人はクスクスと笑った。
誰もが楽しそうに笑い、最高に盛り上がる学園祭。
たくさんの出店に、教室での見せ物。
学年なんて関係なしにみんな楽しそうに笑ってる。
1番面白いと思ったのは、体育館でやってるカラオケ大会。
しっかりとカラオケマシーンが用意されていて、生徒や教師は勿論、一般のお客さんも参加出来て1グループ10名ずつワンコーラスで競うんだけど……。
な・ぜ・か、グループの中で1番点数の低かった人が優勝というルール。
ワザと音を外すのはナシの、真剣勝負。
いつも点数が低くて悔しい思いをしている某教師が企画したらしい。
流行りの歌にアニメソング、童謡や戦隊もののテーマ曲、ちょっと懐かしいものやよくわからない英語の歌……。
たくさんの歌が舞台で歌われている。
「俺も参加する!!」
そう言って受け付けに行ってしまった青山。
10分ほど待って、ようやく出番が来た。



