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休み時間になり、青山が来た。
次は移動教室で、ほとんどの生徒はすでに教室を出ている。
「お前さ、学園祭どうすんの?」
「どうすんのって、何が?」
青山の言ってることがよくわからなくて、首を傾げる。
「あのなぁ……何が? じゃねーだろ。 彼氏は来ないの?」
「……あ、それね」
犬飼くんとは話したけど、青山には言ってなかったな。なんて思い出す。
「来ないから平気」
「そう。 じゃあ俺と回るか?
去年はほとんど回らなかったから、どんなもんなのかわかんねーけど」
「あ、うん。 ねぇ青山、去年はどこ隠れてたの?」
私たちの言葉を気にする人なんて居なかったから、廊下を歩きながら話を続ける。
「あー……“あいつ”が言ったのか。
多分今年も行くから、当日まで秘密。 どこでバレるかわかんねーしな」
「ふぅん……じゃあ楽しみにしとく」
一体どこに隠れる気なんだろう?
絶対に見つからない場所なんだよね、多分。
「あそこに居るのは俺と“あいつ”、それに啓介だけだから安心しとけ」
知ってる顔ばかり。でも、男の子だけ……。
安心と言うか、ちょっと不安かも。



