ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~



隠れるって、そんな場所あるのかな?
どこに隠れても女の子たちは探し出しそうだけど……。


【 時間出来たら結城ちゃんもおいで?
青山は俺がどこに居るか知ってるから。 】


へぇ……青山は、隠れ場所を知ってるんだ。

あ、そういえば去年の学園祭、青山の姿はあんまり見なかったかも。
と言うことは、青山も犬飼くんと一緒に隠れてたってことかぁ……。


【 なんだかんだで青山と仲良いんだね。 】

【 そりゃあ小学校から一緒だもん。 啓介とも結構メールしてるよ。 】


啓介……って、村雨くんのことだよね。
じゃあ犬飼くんと青山と村雨くんは、みんな幼なじみってことなんだ。

普段あんまり喋ってるとこを見ないから知らなかったけど、でも実はかなりの仲良し、ってことかな?

【 それにしても、学園祭って面倒だよね。
俺さぁ、去年は出店担当だったんだけど、逃げちゃった(笑) 】

【 え、そうなの? 】

【 おかげで先生にはかなり叱られた(笑) 】


そんなことがあったのかぁ。

去年は犬飼くんと違うクラスだったから、全然知らなかった。
犬飼くんが出店に出てたら、お客さんいっぱい入っただろうなぁ……。


【 今年はフリーマーケットだから楽でいいよね。
教室の飾り付けして、フリーマーケットに出す物を家から持ってくれば終わり。 】

【 そうだねー。 あとはクラスの目立つ子たちがやってくれるもんね。 】

【 そ。だから俺はすぐ隠れる。
でも、本当は結城ちゃんと二人で回りたい。
周りのことなんて気にしないで、二人っきりで楽しめたらいいのにね。 】


そんな言葉に、心臓がドキドキとする。

犬飼くんと二人で学園祭を回る。 それを想像しながら、ふと犬飼くんを見たら……犬飼くんは、凄く優しい顔で私を見ていた。

目が合って、微笑んで、それから携帯に視線を落とす。
その全てが綺麗過ぎて、言葉なんて忘れてしまう。


女の子たちに気付かれないようにすぐに視線を戻したけれど、頭の中には犬飼くんの微笑みがずっと残ってる。

カッコイイなぁ……。


カッコイイし、素敵だし、綺麗。
みんな、そういう犬飼くんに恋してるんだろうな。と、なんとなくわかった気がした。