「……嘘でしょ?」
「嘘つく意味ねーだろ」
「じゃあ冷やかしだ」
「なんでそうなる。 お前、頭大丈夫か?」
……いやいやいや!! ありえない!!
青山が、私を!?
「無理ムリむり、絶対無理!!」
「はぁ!? なんだよそれ!!」
「だって私、青山のこと嫌いだもん」
「うっわ、秒速でフラれた。
とりあえず聞くけど、好きになる可能性もない?」
「ない」
「……こっちも即答かよ。
あーもうムカつく!! こうなったら、絶対俺を好きになってもらう!!
犬飼なんかに負けるかってんだ!!」
いやいや、犬飼くんは関係ない……こともない、か……。
どうしよう。 なんか、ますます面倒なことになっちゃったかも……。
と、その時、ふと犬太郎のことが頭に浮かんだ。
あっ!! 「彼氏が居ます」って言っちゃえばいいんだ!!
犬太郎と私、一応付き合ってるわけだから、嘘にはならないもんね。
さすがに「4番目の彼女です」ってことは言えないけど……。
「あのさ、青山。 盛り上がってるとこ悪いけど、私、彼氏居るよ?」
「え、マジ? 最近ニコニコしながら携帯見てたのって、やっぱり彼氏とメール?」
「うん」
「うわー……マジかよ、ショック。
じゃあいいや、諦める」
……諦めるの早っ!!



