「お待たせー」
玄関で靴をトントンと履きながら、啓介くんと青山と小百合ちゃんに笑顔を見せる。
「青山、ちょっと頭貸して」
「は? うわっ、ちょっ……お前なんで急に叩くんだよ!?」
「だって、犬飼くんが適当に殴っといてって言うから」
「くっそー……あの馬鹿、近くに居ないからって好き勝手に言いやがって!!
結城!! お前もブログに俺のことを書くのはやめろ!! 会うたびに叩かれる俺の身にもなれ!!」
「あはは、さぁ出発!!」
「無視すんなこらぁ!!」
ギャーギャー騒がしい青山を放っといて、私たちは歩き出す。
と、その時に、携帯にまたメールが届いた。
「あ、犬飼くんからだ!!」
ブログのコメント欄じゃなくて、犬飼くんのメールアドレスから届いたメールを、みんなと一緒に開いて見る。
【 今度一時帰国することが決まったから、その時は俺もカラオケに連れていってね(笑) 】
それを見てみんなは、さっきよりももっともっと笑顔になって、楽しいお喋りがもっともっと楽しく続いていく。