ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~



あと1分くらいでチャイムが鳴るのに、二人は焦ることもなくのんびりと歩いてる。


「……やっと来たか」


啓介くんは少し呆れ顔で歩き出し、犬飼くんとすれ違いざまに鍵を受け取る。
二人ともスムーズで、自然で、とても綺麗な動き。

昨日のことを心配していたけど、二人はいつもと変わらない様子で笑ってる。


啓介くんはそのまま自分の教室へ向かっていったけど、教室に入る直前、私を見て優しく笑って手を振った。

……本当に、いつもの啓介くんそのままだ。

始業時間が迫っていたから全然話は出来なかったけど、それでも啓介くんが笑っているから、私も笑顔になることが出来た。






「結城、わりぃ。 あいつが鍵持ってたとは思わなかった」

「あ、ううんっ私も忘れちゃってたもん、仕方ないよ」

「ほんと、ごめんなー。 あいつと話してたら遅刻ギリギリ!! マジでヤバかった」


申し訳なさそうに顔の前で手を合わせる青山。
その間に犬飼くんは教室に入り、いつも通りのふんわりとした笑顔で、みんなに挨拶しながら自分の席に着いた。

……今、目の前に居る青山はもちろん、教室に入っていった犬飼くんも、普段と全然変わらない。


普段とあまりに同じだから、昨日のことは「夢だったんじゃないか?」と錯覚してしまうくらいだ。

……ほんと、全部が夢だったらいいんだけどな……。

そんなことを思いながら私も自分の席に行き、ふぅっと息を吐きながらイスに座った。


啓介くんに、メールしてみようかな。

あ、その前に犬飼くんにメールして、私の本当の気持ちを伝えた方がいいかな。


でも、メールで言うんじゃなくてちゃんと口で言いたいな……。

まずは二人きりになって話す時間を作らなきゃ。


と、ぼんやり外を眺めながら思っていたら……。


ブー ブー ブー


ポケットに入れていた携帯が、メールの受信を知らせた。