……もう教室に行かなきゃ。
このままここに居たら、遅刻扱いになっちゃうもんね。
啓介くん、どうしたのかな?
それに、青山や犬飼くんも来なかった。
普段はみんな一緒に居るのに、今日は違う。
やっぱり、昨日のことが原因かな……。
色々話そうと思って学校に来たけど、会うことすら出来ないなんて……そんな状態で、どうやって気持ちを伝えればいいんだろう。
はぁ……と、何度目かもわからないため息をつきながら教室に向かうと……。
「結城さんっ」
「あ……」
啓介くんが、教室前の廊下で私を呼んだ。
「ごめん、もしかして部屋の前で待ってた?」
「う、うんっ」
「あ、やっぱり。 実は、昨日先に帰っちゃったから、“彼”が鍵を持ってるんだよ」
……あ、そっか、昨日鍵をかけたのは犬飼くん。
私、その横に居たのに……色々考えていたから、すっかり忘れてた。
「で、その“彼”はまだ来てないし、渉もまだなんだよ。
こっちに居れば誰か来ると思ったんだけど……待たせちゃってごめん」
「ううん、私も、“彼”が鍵を持ってたのを忘れてたから……すぐにこっちに来ればよかったね、ごめん」
そんなことを言いながら、お互いに微笑む。
よかった、避けられてたわけじゃないみたい。
それに、啓介くんはいつもと同じように私と話してくれてる。
「携帯、渡すの遅くなってごめんね」
「いや、僕が渉の家に置き忘れたことが原因だから。
それに、いつまでも来ない“彼”が悪い」
「ん……そうかも」
二人でクスクスと笑っていると、廊下の向こうから青山と犬飼くんがやって来た。



