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翌日。
いつもより早めに起きて準備を終わらせ、早めに学校へと向かう。
理由はもちろん、早く来ているであろう啓介くんと会って携帯を渡すため。
そして、話をするため。
いつもと変わらない坂道を、全力で駆け上がる。
ついこの間、高校に入学したつもりだったのに、私はいつの間にか2年生になっていた。
……毎日毎日授業を受けて、友達とお喋りして、ご飯を食べて、また授業を受けて。
そんな「変わらない日常」を生きてきたけれど、それでも、時間はゆっくりと、確実に流れてる。
1年生から2年生になったように、来年私たちは3年生になり、そして、その先にあるのは、卒業と……別々の道。
時間は止まることなく進み、そして、戻ることもない。
私はこの先の未来、誰と一緒に過ごしているだろう?
誰と一緒に過ごしていきたいと思ってる?
ハァハァと肩で息をしながら、校門の前に立つ。
……私は、啓介くんと一緒に居たいって思ってる。
私が好きなのは啓介くんだから、本当はずっとずっと、啓介くんの隣に居たいって思ってるよ。
でも、啓介くんの想いがわからない。
……わからないからこそ、ちゃんと話をしようと思って来た。
““誰か”を傷つけたくないから、自分は黙って我慢する。 そういう考え方もあるだろうけどさ、でも今は、ちゃんと啓介と向き合うべきだと思うよ。”
青山の言葉を思い出しながら息を整え、暗室へと向かう。
ちゃんと話そう。
自分の気持ちをちゃんと言って、そして、啓介くんの本当の気持ちを聞こう。
……犬飼くん、ごめんね。
やっぱり私は、啓介くんのそばに居たい。



