「それより結城さん、少し外に行かない?」
「“それより”って、やっぱり冷たい……」
「まぁまぁ、気にせずに。
実は今日、先生に屋上の鍵を借りることが出来たんだ」
「え、じゃあ“外に”って……屋上に入れるの!?」
「うん。 僕らだけで外に出ることが出来る」
わぁっ……じゃあまた、夕日を見ることが出来るんだっ。
学園祭の時は人がいっぱい溢れていたけど、今日は啓介くんと二人きりで見れるんだっ!!
犬飼くんのことはもちろん気になってはいたけれど、それでも、屋上から見る夕日が見れることが嬉しくて、私と啓介くんは、手を繋ぎながら屋上へと向かった。



