「ま、とりあえず中に戻ろっか。 奈央ちゃん、今にも倒れちゃいそうな顔してるしね?」
……うん、身体中が熱くてボーッとして、すっごく恥ずかしくて倒れそうです……。
私の反応を見て楽しんでる犬飼くんは、鼻歌を歌いながら部屋に戻っていった。
その数秒あと、私と村雨くんも中へと戻る。
「結城さん、大丈夫?」
「だ、大丈夫っ……」
心臓バクバクいってるけど、村雨くんになんとか笑みを返す。
と、その時……村雨くんが私の耳元でささやいた。
「今度、また家においで」
「へっ……」
「二人きりの時間、楽しみにしてる」
そ、それって、かなりアヤシイ意味に聞こえるんですけどっ……!!
うぅ……村雨くんも悪戯っぽく笑ってる。
私、犬飼くんにも村雨くんにも遊ばれてるかも……。
「啓介、まーたエロ発言?」
「まぁね」
「うわっ、認めちゃうわけ? あーもうムカつく、俺も奈央ちゃんとエロいことしたい!!」
「ていうか、僕はまだエロいことなんてしてないし」
「“まだ”ってことは、いつかはするつもりってことだろー? なら、啓介の前に俺がする!!」
「……何馬鹿なこと言ってんだよ」
……と、男の子二人はいつもと同じ顔でやり取りしてるけど、その内容を聞いている私の顔は、熱が治まることなく、余計に熱くなっていった。



