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熱い口づけを交わしたあと、私たちは恥ずかしさを感じながらも微笑み、ベッドを降りた。
「良太郎を呼びに行かなきゃね」
「……うん」
本当はもっと二人で一緒に居たいけど、ここは犬飼くんの部屋だし、それに、犬飼くんの体調はまだ万全じゃない。
長い時間閉め出しておくなんてことは出来なかった。
「良太郎」
犬飼くんは、玄関を開けてすぐのところで、ぼんやりと空を眺めていた。
村雨くんの声に気付いて振り返り、私を見てにっこりと笑うのはいつもと同じ。 だけど……。
「ベッドの上でラブラブしててよかったんだよ?」
……悪戯っぽく放たれたその言葉に、私の顔が真っ赤になったのは、言うまでもない。
「そういうのは、僕の部屋でするからいい」
む、村雨くん……それを迷うことなく言っちゃうのも、どうかと思います……。
「お、啓介の口からまさかのエロ発言!!
奈央ちゃん気を付けてねー? こいつ、こう見えてかなりエロいから」
「……何馬鹿なこと言ってんだよ。 僕は別に、エロくない」
「えー? 人は見かけによらないって言うし、わかんないよー?
エロすぎて一晩中寝かせてくれないかもしれないねー?」
「……アホか」
ニコニコ笑う犬飼くんと、呆れ顔の村雨くん。
二人の表情はいつもとたいして変わらないのに、私一人、顔がどんどんと赤くなっていく。
顔だけじゃなくて、身体中が熱いかも……。



