「……ありがとう。 僕も、結城さんが好きです」
目に涙を溜めた村雨くんが、微笑む。
それを見て、私はもっともっと涙を流して、村雨くん以上の笑顔を見せた。
気付くのが遅くてごめんね。
でも私、村雨くんが好きだよ。
これから先も、ずっとずっと村雨くんの隣に居たい。
「ずっと、ずっとずっとユウの隣に居たい」
「……うん。 私も、同じことを思ってた」
「……やっぱり似ているね」
「うん」
私と村雨くんの想いは、いつも同じ。
似ているから、お互いに惹かれ合うのかな?
……よくはわからないし、上手く説明することも出来ない。
だけどそれでも、「好き」って想いはきっとお互いおんなじで、見つめ合ってる今も、同じことを考えてる。
「……キスしたい」
「……私も、そう思ってた」
同じ想いの中でクスクスと笑いながら、指と指を絡ませ合う。
「また同じだね」
「うん、また同じ」
微笑みを浮かべ合いながら、私たちは静かに唇を重ねた。
犬太郎と出会って、メールして、同じ学校だと知って、村雨くんに会う……。
偶然の出会い
だけど、偶然に偶然が重なって出来たものを、私は「運命」だと信じてる。
私と村雨くんが出会ったことは、運命。
それを強く感じながら、深くて熱い口づけを何度も交わした。



