消えてしまいそうなほどに小さな声。
見つめ合った先にある、悲しそうな瞳。
揺れ動くことなく私を見つめてきた、村雨くんの想い。
色々なものを感じながら、目からはまた、涙がこぼれ落ちた。
本気で好きになっちゃダメだ。って、思ってた。
犬太郎はゲームを楽しんでるだけだから、私一人が本気になるなんて、そんなの滑稽だって思ってた。
でも本当はゲームなんかじゃなくて、犬太郎は、私のことをずっとずっと想ってくれていた。
私のことを、ずっとずっと本気で見ていてくれたんだ。
「村雨くん、私……」
無意識にしまいこんだ想いに、今気付く。
私は、ずっとずっと前から犬太郎に恋してた。
犬太郎と過ごした時間が何よりも大切で、絶対に失いたくなくて、これから先の人生の中でも、必要で。
村雨くんが犬太郎だとわかったあと、その想いはもっともっと大きくなっていった。
「本気になっちゃダメだ」としまいこんでいて、色々なものに揺らがれながら見えなくなっていたけれど。
それでも私は、ようやく気付いた。
「私は、村雨くんが好きです。
ずっとずっと、犬太郎を……村雨くんを想ってた」
これが、私の気持ち……。
ようやく見つけることが出来た、私の想いだった。



