ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~



消えてしまいそうなほどに小さな声。

見つめ合った先にある、悲しそうな瞳。

揺れ動くことなく私を見つめてきた、村雨くんの想い。


色々なものを感じながら、目からはまた、涙がこぼれ落ちた。




本気で好きになっちゃダメだ。って、思ってた。

犬太郎はゲームを楽しんでるだけだから、私一人が本気になるなんて、そんなの滑稽だって思ってた。


でも本当はゲームなんかじゃなくて、犬太郎は、私のことをずっとずっと想ってくれていた。

私のことを、ずっとずっと本気で見ていてくれたんだ。




「村雨くん、私……」


無意識にしまいこんだ想いに、今気付く。


私は、ずっとずっと前から犬太郎に恋してた。

犬太郎と過ごした時間が何よりも大切で、絶対に失いたくなくて、これから先の人生の中でも、必要で。

村雨くんが犬太郎だとわかったあと、その想いはもっともっと大きくなっていった。


「本気になっちゃダメだ」としまいこんでいて、色々なものに揺らがれながら見えなくなっていたけれど。

それでも私は、ようやく気付いた。




「私は、村雨くんが好きです。
ずっとずっと、犬太郎を……村雨くんを想ってた」


これが、私の気持ち……。

ようやく見つけることが出来た、私の想いだった。