ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~



「……ブログに初めてコメントをもらった時は、本当に嬉しかった。
“この人は私に共感してくれてる!!”って笑顔になって、犬太郎のプロフィールを見て“私と似てるかも”って感じた。
それで、“またコメントもらえたらいいな”って思ってて、夜にコメントがついた時は、本当に本当に嬉しかった。

コメント欄でいっぱいお話して、サブアドを使ってメールするようになって、お互いのブログを読んだり、なんでもないようなことで笑い合ったり……本当に素敵な毎日だった」


そして、同じ学校の同じ学年だと知る……。


「同じ学校だってわかった時は“運命だ”って思ったし、“会えるかも?”なんてことも思ったけど……犬太郎は会うつもりはないって言ったし、私も、ユウと結城 奈央は全然違うから、会わない方がいいって思った。

でも、この時は確かに犬太郎を意識してた。
犬太郎とのやり取りは本当に楽しくて、ずっとずっと前から好きだったけど。
犬太郎本人を強く意識したのは、“運命だ”って感じたこの時だと思う」


……でも、犬太郎には彼女が3人居た。

それが嘘だったと知ったのは、昨日の村雨くんのメール……それまでは、犬太郎には私以外とやり取りしてる人が居るんだと思ってた。


「……犬太郎はね、メル友とのやり取りとか、そういうのは“ゲームだよ”って言ってた。
だから私、ゲームの世界と現実の世界を一緒にしちゃダメなんだってことに気付いた。

顔も本名も知らない相手を意識するだけ無駄なんだってことに気付かされた」


芽生えた恋心が、膨らむことなく消えていった。

あの時に、私は犬太郎を想うのをやめたんだ。


「犬太郎とメールするのはずっとずっと楽しかったけど、本気にはならなかった。
だから、青山や犬飼くん、そして、村雨くんとの時間が楽しかった。
そばで笑い合える人が居る。 その人たちと過ごす時間が、幸せだった」