「俺の作る牛丼はねー、多分世界一美味いよー。
あ、牛丼って日本のものだから世界にはないかも? よくわかんないけど、一流レストランで出してもいいくらいのレベル!!」

「あはは……」


一流レストランで牛丼って絵自体、想像もつかないけど……でも、なんだかすっごく食べてみたいかも。

体調不良の犬飼くんが牛丼を食べるのはどうかと思うけどね……。


と、そんな話をしながら会計を済ませ、スーパーを出てアパートへ向かう。


……二人で買い物してアパートへ向かうなんて、なんだか新婚さんみたい。

結婚したらこんな感じなのかな?


「奈央ちゃんとこうやって過ごせるなんて思ってなかったなぁ。
学校だとあんまり話せないし、昨日は俺倒れちゃったし。
時々でいいからさ、こうやって二人で買い物とかしたいね」


にっこりと笑う犬飼くんに、私も微笑んで頷く。


「こうやって、奈央ちゃんとずっと過ごしていけたらいいのになぁ」


そんな言葉と共に、私たちは犬飼くんの部屋へと入った。