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…
シャワーを浴び終え、用意されていた服を着てリビングの方へと向かう。
そこには村雨くんのお母さんが居て、私を見てさっきと同じようににっこりと微笑んだ。
「もういいの?」
「あ、はいっ!! えっと……お洋服、貸していただいてありがとうございます」
「いいのよ、私じゃ小さくて入らない服だったから。
結城ちゃんが着るとやっぱりちょっと大きかったわねー。 小柄で羨ましいわぁ」
「あはは……あの、村雨く……いえ、啓介くんは……?」
「自分の部屋に行っちゃった。 結城ちゃんが来たら連れてきてって伝言付き。
階段上ってすぐの部屋が啓介の部屋ね。 私はお茶の準備をしてから行くから、先に行っててー」
「あっ、はい」
村雨くんのお母さんに教えられた通り、階段を上っていく。
上ってすぐの部屋、ってことは……ここかな?
トントン、とドアをノックして、返事が来るのを待っていたら……。
ガチャッ
と勢いよくドアが開いて、上半身裸の村雨くんが目の前に現れた。
「わっ……」
「……あぁ、ごめん。 もういいの?」
「う、うんっ」
「……服、着替えようと思って脱いだんだけど、僕もシャワー行こうかなと思い直して。
濡れた服をまた着るのは馬鹿らしいから、このまま待ってたんだよ」
「そ、そうだったんだっ……」
村雨くんって小柄な方だと思ってたけど、結構たくましい。
青山の拳を押し返すくらいだから、当然といえば当然なのかもしれないけど……でも、普段の雰囲気と全然違うからビックリ……。
「適当に座って待ってて」
「あっ……うん」
私が部屋に入るのと同時に、村雨くんは部屋を出ていく。
……けれどすぐにまた戻ってきて、あったかいコーヒーとクッキーが乗ったお盆を私に渡した。
「じゃ、ちょっと行ってくる」
そう言って、今度こそ部屋を出ていった。



