………
……
…
部屋に戻ると……すぐに犬飼くんがガバッと抱きついてきた。
「なーおちゃんっ!! 会いたかったー!!」
「わっ……」
な、なんか、いつも通りの凄く元気な犬飼くんだ……。
もう治った?と思ったけれど、抱きついてきた体は相変わらず熱い。
やっぱりまだ、万全じゃないんだよね。
「お兄ちゃん!! 奈央さんが困ってるでしょ!!」
「えー? だって好きなんだもん。 いいじゃん、ねぇ?
あ、奈央ちゃん奈央ちゃん、添い寝してー?」
青山や村雨くん、妹の小百合ちゃんが居るのになんとも大胆な発言……。
青山は「“一応”病人だから」と殴るのを我慢してる感じ。
「良太郎は、相変わらず大胆だねぇ」
「啓介。 笑い事じゃねーだろ」
「あはは、ごめん」
「あーもう、良太郎も啓介もマイペース過ぎてイライラする……とりあえず、雑炊は全部食べたぞ」
「え、ほんと?」
「おー、すげー美味かった」
うわ……見事になくなってる。
小百合ちゃんの作ったご飯、食べたかったのに……。
「渉も、相変わらずだね」
村雨くんは慣れたように笑って、買ってきたものをテーブルに並べた。
「お、唐揚げもーらいっ!!」
……買ってきた惣菜ですら、半分以上は青山に食べられてしまったけれど。



