勉強は全然出来ないし、運動も苦手。
料理だってほとんどしたことがないし、掃除洗濯も苦手……。
気の利いたことも言えないし、なによりも、優柔不断でみんなに迷惑をかけてしまってる。
……犬飼くんが倒れてしまった原因は、私かもしれない。
「結城さん? 大丈夫?」
「あっ……うん、ごめん。 大丈夫だよ」
食器を持ったまま、ボーッとしちゃってたみたい。
村雨くんに声をかけられて、危うく食器を落とすところだった。
「……もう少し何か買ってこようと思ったんだけど、一緒に行かない?
ずっと部屋の中に居たんだし、少し外の空気を吸った方がいいよ」
「あー……じゃあ行こうかな……」
「うん」
私の手から食器を抜き取り、部屋に居た小百合ちゃんに渡す。
「さゆちゃん、少し買い物してくる。 ご飯出来たのにごめんね」
「あ、わかりましたー」
「良太郎起こして、先に食べてて」
そう声をかけたあと、村雨くんは私の手を引いて外へと歩き出した。



