……いいなぁ。
私、学校で友達と笑って話したりはするけど、家に行き来するような友達は居ない。
小学校の時も中学校の時も、仲のいい友達は居たけど……今はすっかり疎遠になっちゃった。
「……小学校の時から一緒で、高校になった今も仲がいいなんて、本当に羨ましいよ」
「まぁ、色々と言い合ったりもするけどね」
「青山と?」
「いや、啓介とだよ」
……村雨くんと?
いつも青山とやり合いをしてるのは見てたけど、村雨くんとも言い合ったりするのかな?
んー……全然想像出来ない。
「あ、それより携帯、携帯!!
せっかくの水族館デートなのに、長々と話しちゃってごめんね」
ベッドに置きっぱなしだった携帯をポケットにしまい、犬飼くんは笑顔を見せる。
「ねぇ奈央ちゃん、今度泊まりにおいで? 俺のベッドで一緒に寝よ?」
「へ!?」
一緒の、って……私と犬飼くんが、このベッドであんなことやこんなことをっ……!?
「――って、なんかエロいこと考えてた?」
「い、いやいやいや!! そんなことっ……!!」
……考えちゃってました。
二人きりの部屋でベッドを見ていたら、きっと誰だっていろんなことを妄想しちゃうよっ……!!
「奈央ちゃん、今から一緒に寝ちゃう?」
ニヤリと笑った犬飼の手が、私の体を引き寄せる。



