「結城ー、土曜日はカラオケに行こうぜ」

「出た、カラオケ馬鹿。 青山はカラオケで100点取ったことが唯一の自慢だもんねー?」

「うるせー。 そういうお前はどこに行くか決めたのか?」

「んー、水族館がいいなぁ。 イルカのショーとか楽しそうじゃん?」

「うわ、定番中の定番じゃん。 芸がないなぁ」

「青山も似たようなもんじゃん」


相変わらずギャーギャー騒がしい二人を見つめていた時、村雨くんが不安そうな顔で携帯を開いた。


「結城さん、そろそろ5時半になるから、帰った方がいいかも」

「え、ほんと? 全然気付かなかった……!!」


危ない危ない。 また連絡しないで遅くなって、危うくご飯抜きになっちゃうとこだった。


「今度から時計置くね」


村雨くんはそう言って苦笑し、帰り支度を進める。


そして私たち4人は、みんなで暗室を出た。




「土曜日が楽しみだなー早く来ないかなー」

「その前にテストがあるじゃん」

「え、うっわ忘れてた。 今回はマジで頑張らなきゃマズイんだよなぁ……」

「授業は真面目に受けてるのに、青山ってなんでテストはダメなんだろうね?」

「んなもん、俺が知りたいっつーの」


相変わらずのやり取りをする青山と犬飼くんを後ろから眺めながら、私は村雨くんと並んで歩いていた。