あたしと彼と白いキャンバス

「――そういえば、あの絵はどうしたの?」


話が変わる。

一瞬、なにを聞かれたのかわからなかった。


「ほら、白く塗られたやつ」

「ああ。とりあえず家に置いてるんですけど、考え中…です」

「上になにか描いてしまえば?」

「そうですね…」

「誰がなんのためにあんなことしたんだろう?」

「さあ…」


嫌な話題。

胸の奥がザラリとする。


あの絵のことはまだ考えたくない。



先輩の指が木炭で真っ黒になったころ、外は真っ暗になっていた。