あたしと彼と白いキャンバス

「あの…ありがとうございました」


ぎゅっとキャンバスを抱きしめると、自然と涙が溢れてきた。

悔しいとか悲しいとか嬉しいとか不安とか。

いろいろな想いが混じって苦しい。




いつの間にか先輩はすごく近くにいた。


あたしの髪に先輩の手が触れる。

ゆっくりと頭を撫でる。

触れ方は柔らかくても感触は重くかたく、女のそれとはまったく違う。




なぜか嫌悪感はなかった。

むしろ、頭を撫でられることに心地よさを感じていた。


先輩の表情は、見えない。