あたしと彼と白いキャンバス

「大丈夫?」


急激に喉が渇いていく。

キャンバスの白い油絵の具からは明確な悪意が伺える気がして、気分が悪い。


「顔色が悪いよ」


先輩の声はあたしの鼓膜に優しく響く。


「……大丈夫、です」


喉の奥からやっと声を搾り出した。

全身から力が抜けていく。


「大丈夫です」




大丈夫。

自分に言い聞かせた。


なんにせよ、絵はあたしのもとに戻ってきた。

もう大丈夫なんだ、と。