あたしと彼と白いキャンバス

「あ。絵のこと先生に言うの忘れてた」


きっと言ってもどうにもならないだろうけど。

諦めるしかないかな。

悔しいけど、絵はまた描けばいいし。

大事になっちゃったら面倒だし。




頭の中で自己完結しそうになったとき、美術室の扉が開いた。


「…小早川さん。来たんだ」


パーカーにジーンスとラフな格好の先輩が立っていた。

普段見慣れたブレザー姿よりも子供っぽくて、年相応に見える。



軽く会釈したあたしに、先輩は笑みを浮かべてみせた。

眉尻を下げた笑い方だ。