美術部顧問、藤原はるな先生は若くて童顔で胸が大きい。

教師としてはちょっと頭が足りてなさそうで、生徒に遊ばれているのをよく見る。


「美術室の鍵は開いてるわよ。さっきねえ、千里くんも来たから」

「そうですか」

「あなたたちふたりは本当に熱心ねえ。頑張ってねえ」


はるな先生は美術室に行く気はないらしく、子供のような笑顔であたしに手を振った。




美術室には誰もいなかった。

室内は暖かい。

机の上には見知らぬバッグが無造作に置かれている。


…先輩のものだろうか。