校舎から出ると空はもう暗かった。

志乃はあたしの手を引いてどんどん歩いていく。


なんか変だ。

どこに行くのか決まっていないと言っていたわりに、
彼女の足は明らかに目的を持って進んでいた。


「ね、志乃」

「……」


志乃は応えない。


「どこに行くの?」

「……」


無言。

怒っているんだろうか。

でも、なんで?


…背中がひんやりと冷たくなる。