あたしと彼と白いキャンバス

前は彼を人形のようだと思っていた。

無機質な笑みが嫌いだった。

人間らしい感情が欠落した、美しくも気味の悪い生き物。

そう、思っていたけど。


今は違う。

先輩の瞳はあたしに感情を見せてくれる。
あたしはそれが嬉しくて――。




「好きです」




しっかり、顔を見て言った。

涼しげな瞳が大きく見開かれ、そして瞬く。


「……知ってる、よ」


先輩の声は普段より少し高くあたしの耳に届く。

掴んだ彼の腕から力が抜けていくのが分かった。