あたしと彼と白いキャンバス

「何か用事があって帰ったんじゃ…」

「ちゃうちゃう」


新太郎先輩があたしの言葉を否定して首を振る。


「今日、日直なんだよあいつ。で、担任に資料作り手伝わされてんだ」


じゃあ遅いのも仕方ないか。

…あの人が来ないとデッサンできないんだけどな。



あたしが広げたスケッチブックには、描きかけの篠宮先輩が存在している。


何枚も。


何枚描いても納得いかなくて、

スケッチブックの中の彼が増え続けているのだった。