あたしと彼と白いキャンバス

先輩が準備室の窓から中を覗き込み、唇を震わせる。


「何してるんだ、あいつ」


あたしも中の様子を見ようと、
窓に近づいた。

瞬間。


先輩は長い手足を使ってひらりと窓の中へ入ってしまった。


「あっ」


あたしは小さく声を上げる。

止める暇もなかった。



中にいる男の正体も分からないのに。

ずっと学校に悪戯をしていた犯人かも知れないのに。

その悪戯は遊びじゃなくて、悪意かもしれないのに。


「――やめろ!」


先輩の怒声が響く。