あたしと彼と白いキャンバス

校庭を静かに突っ切った。

ただ様子を見るためにやって来たのに、こそ泥にでもなったような気分だ。

ドキドキする。


校舎に近付いた頃には声を出すのも怖くなった。




すると、音がした。


壁の向こうの、すぐ近く。

校舎の中から足音がする。



先輩は渡り廊下の扉に触れ、音を立てないように引いた。

けれど、扉は開かない。

当然のように鍵が掛かっている。


「…どこから入ったんだ?」


先輩がほとんど吐息だけで呟いた。