あたしと彼と白いキャンバス

校門の向こうにそびえる校舎は、酷く薄気味悪いもののように目に映る。


いくつも並ぶ窓硝子から消火栓の赤い光が漏れ出して、

あたかも恐ろしいことが待っているかのよう――。


なんて、

緊張した心がそんな妄想じみたイメージを創作するのだ。



校門を越えて学校に忍び込む。


「確か、あの男は向こうに歩いていったと思うんだけど」


先輩の指が校舎の側面を指し示す。

体育館と校舎を繋ぐ渡り廊下が横たわった場所だ。


「はい」


あたしはベランダから見た光景を思い浮かべ、頷いた。