あたしと彼と白いキャンバス

あたしは篠宮先輩と学校へ向かった。


「俺ひとりで大丈夫だから、帰りなさい」

「嫌です」

「先輩命令」

「嫌です」


道中、早足で歩きながらそんなやり取り。


「あの男が忘れ物を取りに来ただけだったらいいけど。そうじゃなかったら、危ないかもしれないんだよ」

「わかってます」



わかってるから行くんだ。

危ないかもしれないのに、先輩ひとりで行かせるわけにはいかない。



「わかってないだろう」


先輩は自分の額を右手で押さえ、溜め息を吐いた。